女神の微笑み
アヤは手を上げ、目の前にとまったタクシーに乗り込み、行き先を告げた。

運転手は鼻や口に血の跡を残し、汚れた衣服を身につけた美女を見て絶句したが、そのことにはふれず、静かに車を走らせた。

「急いで!」

はやる気持ちを押さえ、アヤはその時を待った。

どうか…どうかまだ生きていて…

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