女神の微笑み
もう少しでそれに届きそうになった時、白鳥が耐えられず、先にその快感に力尽きた。

白鳥はそのままベッドに倒れこみ、下着をはくこともせず、快感の頂点を迎えた体に酔いしれるように寝そべった。

アヤは体を起こし、下着を身につけ、着ていた衣服に身を包んだ。

そして何事もなかったかのように、無言のまま寝室を後にした。

白鳥雅史、この男のとった行動は、欲望に勝てなかった男の象徴なのだろう。

でももし、この時、独りだったアヤの心が動き始めたこの時、白鳥のとった行動が違うものだったとしたら、人に頼ることを結果拒み続けたアヤも、変わることができていたのかもしれない。


< 205 / 252 >

この作品をシェア

pagetop