女神の微笑み
そしてもう一つ、春美にあった別の思いとは、アヤのことであった。

春美にだけはわかっていたのかもしれない。

相手の心を、思ってることを何より先に気遣うこの客商売の中に長く生き、なおかつその道で不動の地位を築きあげ、いつしかアヤを育てることを第一に考えるようになり、時には我が子のように接してきた春美だからこそ、孤高に見せるアヤの心が、本当は孤独であることを。


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