春色最中のコンチェルト
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「飲む?」

「…ん」

キュルッ

「はい」

「…あぁ」

「………天気、いいね」

「…ん」

「寒いねぇ…」

「…着る?」

パサッ


さっきから思っていたけれど、何だこの状況。

音声だけ聞いたら老夫婦の会話イン縁側だ。


新幹線を待ちながら交わす会話とはとても思えない。

部屋では饒舌に見えたが、それは必要最低限だからというだけのことだ。


気まずい。

苦手だからといって沈黙で良いという訳じゃない。


「青磁くんはさ」

「うん」

「風柳、継ぐの?」

「ああ」

「そう、なんだ…」


あまりにキッパリ答えたから虚を突かれた。


私は何も決まっていないのに。

取り敢えずデザインと経営学部がある大学に行って、そこで将来に繋がるくらいの詳細の目標を見つけて。

何とか波に乗って行こうなんて思っていたのに。


ボケッとして見える青磁くんが、ちゃんと自分の道を決めていたことに傷ついた。

自分が愚かに思えて。


華やかな都会を離れて、友達も自分から手離して、私は何を見つけた?


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