テンポラリー・ジョブ

別れ

「すまないな。手伝ってもらって」
大輔は、退職する高島のデスクのかたづけを手伝っていた。

大輔は、高島の荷物をダンボールに詰め込む。

「他に入れるものはありませんか?」
大輔が高島に尋ねた。

「これも頼む」
高島は、愛用していたポケット辞書を大輔に渡した。

大輔は、辞書をダンボールに入れてガムテープで封をした。

「他には、なにかありますか?」
「だいたいこんなものかな」

「じゃ、高島さんの車に積んでおきます」
「頼むよ」

大輔は両手でダンボールを持ちながら、高島はノートパソコンを持って、外の駐車場まで歩いていった。

日差しが強く差し込んでくる。

高島の車はセダンタイプで後ろの後部座席に荷物を置いた。

< 19 / 51 >

この作品をシェア

pagetop