一瞬の風になれ



「じゃ、下で待ってて」




「はい!」




って、え!?

先輩の家に上げてもらえないんですか…?



ちょっと落ち込みながら、インターホンを開ける先輩の後ろ姿を見た




まぁ、いっか




心のなかで吹奏楽の課題曲を口ずさみながら先輩を待つ。




「お待たせ、遅くなってごめんね」




しばらくして先輩がひょっこりあたしに顔を見せた



「いえいえ」




私服の先輩は、いつ見ても大人に見える。
先輩の隣をこんなあたしが歩いてて良いのかな…




また、来た道戻って歩いていく。




「…先輩、本当にかっこいいですよね」




今度は繋がれない手に違和感を持ちながらちょっと言って見た





< 10 / 25 >

この作品をシェア

pagetop