一瞬の風になれ
「じゃ、下で待ってて」
「はい!」
って、え!?
先輩の家に上げてもらえないんですか…?
ちょっと落ち込みながら、インターホンを開ける先輩の後ろ姿を見た
まぁ、いっか
心のなかで吹奏楽の課題曲を口ずさみながら先輩を待つ。
「お待たせ、遅くなってごめんね」
しばらくして先輩がひょっこりあたしに顔を見せた
「いえいえ」
私服の先輩は、いつ見ても大人に見える。
先輩の隣をこんなあたしが歩いてて良いのかな…
また、来た道戻って歩いていく。
「…先輩、本当にかっこいいですよね」
今度は繋がれない手に違和感を持ちながらちょっと言って見た