訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
「あの……」
「ん?」
湊叶さんは、私と一メートルくらい距離を置いて畳の上に胡坐をかいた。
声はとても優しいのに、実際の距離より遠くに感じる。
「湊叶さんは、大丈夫ですか?」
「何が?」
「いや、あの……私が来た時、厨房で震えてたじゃないですか」
「ッ……あ、あぁ……大丈夫だ」
バツが悪そうな顔を浮かべて、頭を掻く湊叶さん。
聞いちゃいけなかったかな。
でも、聞きたい。
湊叶さんの事を、知りたい。
「絢さんって、湊叶さんの彼女ですか?」
「……なんで、そんな事知りたがるんだよ」
湊叶さんの瞳が、懐中電灯の明かりに照らされてキラキラ揺れている。
普段見えないその目が、今の私には「何を知っている?」と
聞いているような気がした。