訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
「だって……」
好きなんだもん。
湊叶さんこと、何も知らないから知りたい。
どんな些細なことでも、聞きたの。
「嬉しそうに、見えなかったから」
俯いて、苦し紛れにそう言った。
「蒼汰から、何か聞いたのか」
「あ……少しだけ」
湊叶さんの声は穏やかで、怒っているようには聞えなかった。
だから昼間に、蒼汰さんから聞いた話を掻い摘んで話した。
「……そっか。蒼汰がそんなことを――」
後ろ手に付いた手に体重を掛けて、仰け反ると
なにを考えているのか、天井を暫くの間見つめる湊叶さん。
「俺さ、三歳の頃にこの島に連れて来られて……それ以来、ずっと婆ちゃんと爺ちゃんに育てられたんだ」