最高の恋の見つけ方
葵くんの手を取ると、凍ったように冷たかった。
「何時間外にいたの」
「一時間、2時間?かな」
私は葵くんの手を取って、家に入った。
「ただいま、ご飯たべてきたから、部屋いくね」
お父さんとお母さんに叫んで、葵くんと自分の部屋に向かった。私の親は私よりも葵くんが好きなくらいだから、私たちがよく部屋で一緒にいるのはうすうす知ってるみたいだけど、何も言わない。
「手、こんなに冷たくなっちゃって、寒かったでしょ」
「寒かった」
葵くんがうつむいた。私は葵くんの両手を握った。
「あっためてあげるね。連絡くれたらよかったのに」
「好きで待ってただけだから」
「なんで?」
「絵里に半日会えないと、絵里が足りないんだ」
「何馬鹿なこと言ってるの?来年には私大学行っちゃうんだから、今まで見たいに会えないかもよ」
葵くんは私と同じ高校の2年生だ。私は来年には高校を卒業する。
「だって、今日絵里、いつもと違う香水つけてたりして、なんか、不安になる」
においが違うのは、純と一緒にいたからだろうか。
「ごめんね、私、どこにも行かないよ。私たち、身体は二つだけど、心は一つだもんね。離れたら、壊れちゃうからね」
私は葵くんをやさしく抱きしめた。