黄昏と嘘
ここまで一緒にくらしてやっと、少しアキラを理解することができて、少し彼に近づくことができて、でもそれはチサトが勝手に思い込んでいることであり、彼のほうは彼女をどう思っているのかはわからない。
それにチサトがどんなにアキラのことを思っていたとしても彼の想う「彼女」の存在がチサトの中に大きく影を落とす。
そしてまた少しわからなくなって、気づけばまた少し離れていく。
それでもまたチサトはアキラを追いかける。
結局、彼女にとって彼は遠い人、そういうことなのだろう。
だって先生はあのとき私に言葉をかけてくれたから。
そう思うことでチサトは思いを払拭する。
チサトはあの夜中の出来事がとても嬉しかったのだ。
アキラがチサトのためにとかそんなつもりなくてなんとなく気まぐれで、だったとしても。
彼女にとってはとても大切な出来事になっていたのだ。
それはアキラに対する想いが日増しに増してゆくことになる。