黄昏と嘘

「ほ、・・・本当ですか!?」

「ああ、キミがまた何か作るって言ったらそれはそれでまた大変なことになりそうだからな・・・」


あ・・・何だ、そういう・・・ことですか・・・。
でもまあ、あんな惨事、二度と体験したくないよね。


「19時半に予約を入れておくから、時間になったらこの店に先に行ってなさい」

彼の行きつけの店なのだろうか、アキラはチサトに店のカードを差し出した。
彼女は慌ててアキラの近くまで行ってそれを受け取りカードを見つめる。

「あ、あの・・・」

チサトは聞こえるか聞こえないか小さな声でアキラを呼び止めるが、彼はやはり気づくことなく、そのまま彼女に背を向けてリビングを出て行った。

ただチサトとしても何を言うために呼び止めたのか、わからなかったからそれはそれで都合がよかった。

「理由はどうであれ、私を誘ってくれてすごく嬉しいです」
「先生と一緒に食事なんて夢見ているみたいです」

・・・そんなこと、言えるわけもない。

チサトはそんなことを考えながらバタン、とドアが閉まる音がしても、もらったそのカードをじっと見つめていた。

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