黄昏と嘘
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「・・・彼も彼女を安心させるために・・・だったんだろうけど。
でも彼って肝心なところで口下手だったから彼女にそこのところがうまく伝わらなかったみたい。
お互いに想い合いすぎて、気遣い合いすぎて、こんなことになったんだろうけどね」
そう言ってモモカはふう、とため息をつき、注文したレモンティーを一口飲む。
チサトはそんな彼女をぼんやり見つめる。
「彼女は・・・」
そしてカップを置いて、モモカは続けた。
「彼女は、小野先輩と別れてからすぐにその付き合ってた男性とも別れたって聞いた」
「え・・・」
「きっと小野先輩を自分から解放してあげようとしたんだと思う。
だから別れるきっかけを彼女からつくったのかなって・・・」
先生の奥さんは・・・最後まで先生のことを想ってたっていうこと・・・。
ふたりは別れてしまったけれど、本当はまだお互いに。
チサトは心が締め付けられるような痛みに襲われる。
どうしてこんな話を聞いてしまったんだろう、チサトはモモカから話を聞いて思った。
聞けば自分が苦しくなるだけなのに。
そしてまたアキラを苦しめるきっかけになってしまうかもしれないのに。