黄昏と嘘
思わず彼女はそのアキラの後姿に向かって言う。
「じゃどうしてさっき私の邪魔したんですか!
せっかく新しい住所を手に入れることができそうだったのに!」
チサトは助けてもらったことを棚に上げてアキラを責め始めた。
「はあ?何言ってるんだ?あんなのについて行ったらロクなことにならないだろう!
それに邪魔したんじゃない、助けてやったんだ。
キミだって助けを求めていたじゃないか!」
アキラはチサトの言葉にムッとしたのか、くるりと振り向いて言い返してきた。
もちろん、これはどう考えてもアキラのほうが正当な言い分だ。
チサトは住所を貸してもらおうとあの男子学生について行こうとしたけれど、やはりよくないと逃げようとした。
でもそれができず助けを求めたのだから。
「でも1%の望みも消えてしまった私にとってそれは助けじゃないです!
邪魔です!」
自分の言っていることはおかしいとチサトはわかっていたけれど1%の望みも消えてしまった、ということには変わりはない。
アキラに助けて欲しいと素直に訴え続けても受け入れてもらえそうにないと思い自分を正当化してアキラに言い返した。
チサトは興奮してやけくそになって周りに聞えるような大声でアキラを指差して叫んだ。
「この人サイテーなんですよっ!
私の住むところ奪ってそれでそのままここに捨てて行こうとするんですよ!」