スキとかキライとか。



「俺さ、世界一スキなヤツがいる」

「みーちゃんでしょ?」


蓮斗さんは私の手首を引っ張って、長谷川さんの前で止めた。

ま、まさか……。


「俺の世界一スキな女、リカ」


ま、巻き込まれてしまった。

長谷川さんは歯ぎしりをしてギリ…ギリ…ギリ…と嫌な音が聞こえる。

それに鋭い目付きで私を睨み付ける。

望月さんとは比べ物にやらないくらい、怖過ぎる!


「つーわけで、消えて?」


後ろから、蓮斗さんに抱きつかれた。


「蓮斗さんッ…待って!みーちゃんは、」

「あぁ?消えろっつてんだろ!」


蓮斗さんは耳が痛くならないように、私の両耳をふさいでくれた。

後ろにいるから分からないけど、蓮斗さんの声は冷た過ぎる。
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