ありふれた恋でいいから
そのままじゃれ合うように社務所まで行き、今度は学問と縁結びの御守りをお揃いで買うと、

「よし、次は合格した時に来よう」

「……二人で一緒に来られますように」

手を繋いでゆっくりと来た道を戻る。



そんな、数時間の逢瀬を楽しんだ冬休みが明ければ、待ち構えたように受験シーズンが到来して。
最後の追い込みに入った高3の3学期は瞬く間に過ぎていった。



努力の日々は実を結び、畑野くんと私は見事同じ大学に合格。

そして、少しずつ春の兆しの見え始めた3月。

私たちは無事、高校を卒業した。
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