龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。


彼女は怯えてるのを周りの人に悟られないよう、吠えるようにして無駄に大声で叫んだ。

セットされた髪が振り乱され、無様としか言い様がない哀れな格好だ。

「……っ!!喧嘩売ってんのかよ!?つか、お前誰だよ?!」

「私?私は……」

ツインテール女子が自分の左腕につけた腕章を手で指した。









「玲瓏学園初等部生徒会長、六年花組の龍華寺 四葉(りゅうげじ よつば)だ!」









「ああ!生徒会長の!」
「確か、お父さんが警視総監なんだよね?」
「違うよ、お爺ちゃんが警視総監で、お父さんは警部さんだよ!」
「うわー、警察一家かよ!かっけえ!」
「三人の喧嘩強いお兄さんがいるって聞いたぜ」
「本人もそーとー強いらしい」
「あの腕章、確か生徒会長の印だよな?」
「すっげー!」

思い出した。去年、二つ隣のクラスだったから、あまり見たことが無かったけど、生徒会演説の時に顔だけ少し見たんだった。

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