引っ越し先はあたしの隣⁉︎
これはやばくない?やばいよね。
かわいすぎるわー。さすが俺の木下。
……我ながら恥ずかしいことを思ってしまった。
『俺の木下』だって。まあ、俺のだけど。
なんで後から恥ずかしくなるって分かってるのに、こんな恥ずいこと言えるんだろう。
……木下効果か?
《ちょっとっ、隼田くん?!》
その声に我に返った。
これも木下効果か?
「わりぃ、木下効果でどっか行ってた。でもちゃんと聞こえたよ」
《木下効果!?なにそれっ。……よ、よかったです》
そんな反応に俺は笑みを浮かべ、本題に入ることにした。
「でさ、メールの件なんだけど……」
そう切り出しなんで木下も素っ気ない感じに送ってきたのかを聞いてみた。
後に俺はもうノックアウト状態にいた。
木下なんて言ったと思う?
《隼田くんの真似てみたの》って言ったんだよ?
真似てみたって……か、かわいすぎだろ!
こんな単純な問いに。
「ごめん、こんなことで電話して……」
俺情けね。もう今最高に恥ずかしいんですけど!
あっつ。顔あっつ。
木下はそんな俺に《大丈夫だよ》って言ってくれるんだけど、俺は大丈夫じゃないんだよー。
そんなこんなでまた木下に《ありがとう!》とお礼を言われ俺達は電話を切った。
……。
…………。
切ったはいいんだけど。
俺の心臓、今停止しそうなんだけど。
落ち込み気味な俺に魔法の言葉を言われ、俺はもう死んでもいいかもって思ってしまった。
「……『好きだよ』、はダメだろ」
そう一つ呟き、風呂場へ向かった。
……寝につく前に母さんにしつこく言い迫られたことは言うまでもない。