あなたを待っている
12
翌日…

俺と由希美は公休日だったが、山ちゃんに報告するために店に向かった。

20時上がりの山ちゃんが店の裏口から出てくるのを待つ。

緊張を隠せない由希美の肩を抱きよせる。

『落ち着いて。大丈夫だよ。』

俺の声にうんうんと何度か首を縦に振った由希美。

そこに山ちゃんが現れた。

『お疲れ様です。』

俺の挨拶に山ちゃんは、

『お疲れ~。やっと、たこちゃんに振り向いてもらえたのかぁ?』

そう言って目を細める。

『やっと…。伝えられたんだ。千鶴とのこと、やっと決着がついたから。』

『そっか。良かったな…。』

『山ちゃん、俺達、結婚しようと思うんだ。山ちゃんは俺達の親みたいな人だから報告したくて…。』

山ちゃんは、私たち2人の頭を乱暴に撫でる。

『お前も、たこちゃんも我慢したもんな。おめでとう。たこちゃんのこと、幸せにしてやれよ!』

山ちゃんは、そう言って帰っていった。



< 64 / 76 >

この作品をシェア

pagetop