月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】
琉稀「瑠璃さんはブラックです。ただでさえ
勘が効くのに、これを話したら余計に
突っ込んでくると思いますので……」

海「でも、それが本当ならば、事前に防げるの
では?」


彩華「無理だよ。いくら逃げても、部屋に閉じ
こもっても殺される。」

彩華「どうせ殺されるなら、堂々と戦ってカッ
コ良く死にたいじゃん!」


海「つまり、何が言いたいんですか?」




彩華「私達の死んだ後の話だよ。」



晴「……?」


彩華「つまり!葉月を頼みたいの!任せたいの
葉月を……葉月を信じて欲しいの。」


爽「信じるって言ったって……」


彩華「信じるって急に言われて困るのは分かっ
てる。そんなの十分承知。だけど……」

琉稀「葉月を1人にしないでください。
1回位、笑わせてください。
1回位、泣かせてあげてください。」


晴「笑わせる?泣かせる?なんでそんな事を」


琉稀「葉月は……笑った事なんて俺達は1度も
見たことがない。物凄い昔には笑った事
があるみたいですが、もぅ笑わなくなっ
てしまいました。」

彩華「葉月は泣いた事は1回しかない。
その、笑顔が消えた日に1度だけ。」


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