月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】
【瑠璃side】


私達は直ぐ竹花病院へ向かった。

竹花病院はとっても大きい病院で、学校からそれほど遠くない。


タタッ


走る。


さっき爽が言った事


────爽「蓮夜が意識が戻ったらしい。」



そう言った。
嘘!嘘!嘘みたい!……夢みたい!

一番会いたかった人。



看護師「こらー、走っちゃ行けませんよー!」

瑠璃「すみませーん!」



私はそれでも1秒でも早く会いたい。
だから走る。


晴「お、おぃ。何があったんだよ。」

瑠璃「それは後で話す!」



どこ?どこだっけ?……確かこの角を曲がった先。だった気がする。



瑠璃「はぁ、はぁ、ここだ。」




病室の前のネームプレートには《松川 蓮夜》の文字。



晴「松川……れん、や?誰だそれ。」




爽「入らんの?」

瑠璃「わ、私入っていいのかな?」

爽「いいに決まっとるやん。」

瑠璃「でも、私のせいで……」

爽「でも蓮夜は瑠璃が会いに来てくれないと
悲しむで?それにあれは瑠璃のせいやない
し。」

瑠璃「でも……」

爽「あれは蓮夜から行ったの。瑠璃のせいやな
い。」

瑠璃「……許してくれるかな?」

爽「許すもなにも怒ってへんで?
瑠璃は……どうしたい?」


瑠璃「私は……私は会いたい!」

爽「その気持ちや。蓮夜も同じ気持ちだと思う
で。」



トンッ 背中を押された。



爽「大丈夫や!」



ニコっと笑ってくれる爽。
また、肩の荷が軽くなった気がした。


ガラッ



そこで待っていたのは……
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