学園世界のイロジカル
「椿?もう着いたよ?」



「はっ!…龍矢」





いつまでたってもこの感覚には慣れない…まだ数えるほどしか移動してないけど。



現在私の家の前。


本当は広場からじゃなくても学園の半分ぐらいの敷地内だったらどこでも移動はできるらしいんだけど、広場が1番その…言うのもあれだけど、私たちの”内なる力”が発動されやすい場所らしい。



…この学園に来る前だったら、絶対信じられないような話だ。




その時ブーッと制服のジャケットのポケットの中に入ってあるポイセが震えた。






「あ、ナミあと10分ちょいで来るってー!

いや、実用魔法協会?も大変だねー」




「じゃ、とりあえず着替えるとするか」




「10分後にここに集合ね」




私はマイホームへ、零も零の家へ、龍矢の家には柊も着替えを置いたとかで2人で入って行く。



私は相変わらずの赤パーカーを着て、鏡を見てチョーカーの位置を直した。



仕上げにポイセを制服から移せば、完了。



10分もせずに終わっちゃったけど、とりあえず水分補給だけして家の前に行く。



そこにはまだ誰もいなかった…けどすぐに3人が来た。




…私たち4人はいつも、大体同じ格好をする集団らしい。



私は赤パーカーにチョーカーだし、零はシャツに薄めの緑マフラーだし、柊は白衣だし、龍矢は濃紺のコート。




思わず笑っちゃって、柊が「何笑ってるんだ?」と不思議そうな顔をしたところで、後ろの方から知ってる人の声が聞こえた。




「ナミ!お疲れ!」


「今日は遠征で…遅れてごめん!」


「へー遠征。なに討伐?」


「いやー、それが種類豊富でたくさん」




…途中からRPGゲーム世界の中の会話みたいになったけど、目をつぶろう。




「んじゃ、練習室に行きますか!」







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