鬼呼びの花嫁




すごい力で押さえつけられて動けない。
クラスメートの顔が近づき制服のリボンをくわえて床に吐き捨てた。

その目が赤い。
赤く血のように染まってる。


「だ、誰か!」

「誰も来やしない。みんな帰ったしな」

「や、やめて!」

鳥肌が立った。
逃げ道を塞がれて逃げられない。
暗がりで足が震えて、
声が出ない、叫べない。


「……喰ったら怒られるかな?まあ、証拠さえ残さなきゃ大丈夫だろ」


ガブッ

キャアアァッ

肩に鋭い痛みが走って熱が肩に集中してく。
わたしの肩にかぶりついたまま顔を上げた目が燃えるように赤い。

ニヤッ

笑ったような気がして全身の毛が総毛立った。



―――鬼


目が真っ赤に染まりその目が笑って離れない。



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