鬼呼びの花嫁




わたしにかぶりついてたクラスメートは戸口の脇で榊先生の前でのびていた。

桜木くんが、金色の瞳。
柊くんが青い海の色。
榊先生が碧色。

他にも―――紫、白


「大丈夫ですか!」

「…大丈夫…」

肩が千切れるように痛い。
毒が廻ってるみたい。


「あいつ、肉溶かして喰おうとしたな。優輝、上着持ってろ」


桜木くん……何をするの?

わたしのブレザーを爪で簡単に裂くと、シャツのボタンも引きちぎって食いつかれた肩に同じように顔を寄せた。


「いた、い」

毒が廻ってる体の中に、逆流してく痛み。
焼けるような熱が肩から全身に拡がってく。


「…い、た」

「骨までは溶けてなかったから、なんとかなるだろ」

熱が身体中に廻って声が出ない。力が抜けて、支えてくれてる桜木くんから身を起こせない。

気が遠くなってく―――



「―――これが、鬼呼びの力、か」


意識が途切れる瞬間に違う聞こえた気がした―――



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