純情女子と不良DK



「あ、二人に聞きたいことがあるんだけど」

「なに?洋平君のこと?」

「ちっがう!なんでそうなる!」



ふと、思いだしたことがあってさっそく二人聞いてみようと思えば何故か洋平絡みかとウキウキした目を向けられた。
そんなに私達をくっつけたいか。そうはいくか。
葉月はウオッホンと大きく咳払いをした。



「あのさ、私って二十歳に見える?」



予想していなかった質問のせいか、二人は「は?」と言うような顔した。



「え?どうしたのいきなり」

「私、自分の中では結構大人びたと思ってるんだけど、どお?二人からしてどう見える?」



 私は真剣に聞いてるのだ、と真顔フェイスになる葉月。
優聖に言われた言葉がやはり信じがたいというか、認めたくなかったのだ。
だから頼む。どうかその不安を取り除いてくれ…!という思いをこめたが、その思いは案外あっさりと崩されることになる。



「葉月はどっちかといったら、年齢より幼く見えるけどな」

「うん。まだまだ子供よね」

「嘘じゃん……」



二人にまでこう言われては、そうなのだと自覚をするしかないだろう。
肩を落とす葉月に二人が「まぁまぁ」と笑いながら肩を叩いた。



「髪染めてやる……!」

「ダメよ。せっかく綺麗な髪が傷んじゃうでしょ」

「ケチ」

「若く見えるってことだからそれでいいじゃない」



面倒くさい子ね~と言って台所で洗い物を始める母、観月。
面倒くさいとはなんだ面倒くさいとは。
葉月は口を尖らせながら愛犬ポン太とじゃれ始めた。

(まぁ、顔に関してはどう悩んだって仕方ないかぁ)


………けれど、優聖に言われたことが何だか不服なのだ。
年下に、しかも高校生に。
絶対私の事年上だって思ってないよアレ。
ぶつくさ文句を零すのであった。



それにしても……。
あの時優聖が連れていた友人達、お世辞にもしっかりした子達には見えなかった。
なんというか、ちょっと悪さをしていそうな、そんな感じがするし実際優聖も飲酒をしているような発言をしていた。
高校生があんな時間まで出歩いてたりしたら、親が心配するじゃないか。
もし警察に見つかりでもしたら大変なのに。

(って、余計なお世話か)



でも一応、高校の後輩なわけだ。
先輩として、思うところも色々あるけれどあの遊び盛りの男子高校生に二十歳の女がどうこう言ったところで何も意味はないだろう。
私には関係ない関係ない。と葉月は息をはいた。











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