願う場所、望む奇跡
「何で、夏希ちゃんの存在を教えてくれなかったの?」
さっきから思っていたけど、夏希ちゃんって……。
コイツより年上なんだから、普通はさん付けだろう。
高3になってまでこの口調じゃあ、社会人は無理だよな。
なんて、全然違うことを思っていた。
「だんまりですかぁ?」
俺の顔を覗き込むように聞く。
顔がちけぇよ。
そう思って、ゆっくりと遠ざかる。
だいたい、何で関係ねぇヤツに夏希のことを教えなきゃいけねぇんだよ。
「義哉くんにお姉さんがいたのは、意外だったなぁ」
やっぱり、調べてやがる。
まぁ、学生に調べられることはたかが知れているけど。
それで、コイツは何が言いてぇの?
「結論言えよ。
バカなアンタは、授業出るべきじゃねぇの?」
そんな嫌味を言うと、少しだけ笑顔が崩れた。
だけど、すぐに持ち直す。
「結論から言うとー、あたしと付き合って」