願う場所、望む奇跡
笑顔で何を言い出すのかと思えば、くだらねぇ。
俺は、誰とも付き合わないと言っているはず。
「このことバラされたくなかったら、付き合って」
バカじゃないだろうか。
姉だということがバレたからって、口止めとして付き合うなんてことしない。
いずれはバレることだ。
それは、脅しの材料にはならない。
ため息を一つ吐き、机の上から降りた。
これ以上、ここにいる意味はないと思い、教室を出ようとドアに手をかけたとたん、信じられない言葉が聞こえた。
「姉弟のことじゃないよ。近親相姦していることだよ」
その言葉に、声も出ない、息も止まるぐらい驚いたけど、それを悟られないようにゆっくりと振り返った。
だけど、驚くことはそれだけじゃなかった。
振り返った先にいた女の手には、写真がある。
それを、俺に見せるようにヒラヒラさせている。
写真をよく見ると、それは俺と夏希のキスシーンだった。
「偶然撮れちゃったんだぁ。いいシーンでしょ」