願う場所、望む奇跡
義哉に惑わされることなく、松本くんを見れたのに。
って、人のせいにしたところでどうにもならないんだけど。
なぜ、諦められないんだろう。
こんな私を好きだと言ってくれる人がいる。
好きな人には彼女がいる。
それ以前に、実の弟。
なのに、私はいつでも義哉を求めている。
それを痛感したのだから、松本くんと別れるべきなんだと思う。
だけど、それが出来ない。
苦しまない方法と言われて付き合った。
けれど、結局は苦しむんだ。
完全に義哉を忘れない限りは。
そもそも、弟であり家族であり、一緒に住んでいるのだから、忘れることなんて出来る訳がない。
最初から無意味なことをしていたんだ。
それに気づいたところで、どうしようもない。
イヤ、どうしたらいいのか分からないんだ。
「夏希センパーイ!数字が違っています」
「え?本当?ごめんっ、直すー」
莉亜の言葉に手を上げて答えると、莉亜が書類を持ってきた。