願う場所、望む奇跡



「だったら、私に聞かなくても分かるんじゃない?」



その子に対して、冷たく言い放つ。

だいたい、話しがかみ合っていない気がする。



「今井さん、会議始まるよっ」


「あ、はい!」



一緒に会議に出席する男性に声をかけられて返事をした。

無駄な時間を食ってしまった。

私は、女に見向きもせず急いで会議室に入った。

どうやら、まだ時間はあったようだ。



「弟が人気者だと大変だね」



会議室に入った私にこそっと言った彼は、同期の松本宏樹。

同期だけど、大学卒業して就職しているから年上の26歳だ。



「私に聞いても意味ないのにね」



毎日毎日、うんざりする。

誰かも分からない子を相手にするのは疲れる。


私は、絶対に何も答えないと決めていた。

私に聞いてくる子は、たいてい妄想が激しくてかわい子ぶっている。

私を上手く味方につけようとしているのが見え見え。




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