願う場所、望む奇跡
だけど、嫌とは言わせない雰囲気がある。
ここは、正直に答えるしかなさそうだな。
「俺は、付き合うとは言っていません。ただ、理由があって脅されただけ。だからイイ顔して君の言う通りにすると言っただけ」
「へぇ、君も策士だね。で、その理由とは?」
そこまで言わないと、納得しないって訳ね。
だけど、コレを知ったらこの人、どんな顔をするんだろう。
しかも、コレを言えば経緯まで話さないといけなくなりそうだ。
ごちゃごちゃ考えたところで、逃げ道はない。
夏希も母さんも、帰りは遅い。
偶然、誰かに聞かれてしまう心配もない。
「ある時、外で姉さんと言い合って……イヤ、言い合ってないか。でもまぁ、その拍子にキスして。クラスの女に撮られたんです。それを見せられ、脅されました」
「キス写真か。その子もやるね」
「元々、ストーカーですから」
「えっ!?本当にストーカーなんているの?」
え?驚くのそっち?
夏希とキスしたことを驚かず、ストーカー話しに食いつくとか。
不思議な人だな。