願う場所、望む奇跡
「え?葬儀の時が、久しぶりの対面じゃなかったの?」
「違います。けど、逢った訳じゃなくて俺が見ただけです。その時、俗に言う一目ぼれですね。
最初は、実の姉だったので戸惑いました。でも、はっきりさせるために見に行けば行くほど好きになった。今では、夏希の全てが好きです」
はっきり言い放った。
今の夏希の彼氏にこんなこと言ってどうするんだって感じだけど、自分の口からちゃんと言いたかった。
「真剣なんだな……」
なぜか、寂しそうに言う。
夏希との間に、何かあったのだろうか。
「でも、夏希を好きでも堂々とは出来ないし、結婚も出来ないよ?」
「それは、承知の上です。夏希を好きになってから、一生1人で生きていくと決めたから。
俺は、夏希以外と幸せになるつもりはないです」
この先、まだまだいろんな人と出逢うと思う。
だけど、夏希以外を好きになるとは思わない。
久々に見てから再会するまでの5年、気持ちが変わることはなかったから。