願う場所、望む奇跡
「あ、イヤ、俺は社会人になって稼げるようになってからって……」
「そんなに悠長にしている暇ある?ただでさえ、君はモテる。夏希だって、俺と別れたと知れれば、他の男が割り込んでくるかもしれないよ?」
現実を突き付けられた感じだ。
確かに、男はこの人だけじゃない。
社内にも社外にも男はたくさんいる。
何をネタにこの人と付き合ったのかは分からないけど、今後同じヤツが出て来ないとも限らない。
「俺も、それまでには別れるよ。ただ、約束して」
「約束?」
「夏希を泣かさないって」
「……それは、夏希の気持ち次第じゃ……。もちろん、泣かせませんが」
「まぁ、そうだけど。ちゃんと、夏希に伝えてよ」
夏希に伝えろって、この人は本当にそれでいいのだろうか。
本気で好きだったのに、簡単に別れることが出来るのだろうか。
「俺だって、本気で夏希のこと好きだよ。結婚したいとも思った」
「だったらなぜ……?」
「……夏希の幸せを考えた結果」