願う場所、望む奇跡
幸せそうな寂しそうな目をしてそんなことを言う。
でも、それは夏希が決めることだ。
この人と居続ければ、幸せになる可能性だってあるのに。
この人が決めることではないのに。
「最近の夏希は、ボーっとしていることが多いし、ミスが増えた。どうしてだと思う?」
そう言われても、最近の夏希の様子は分からない。
3人でいる時は普通に見えた。
それ以外の時の様子なんて、全然分からない。
キスして以来、一緒にいることはなくなったのだから。
「それは、君に彼女が出来たからだよ」
きっぱりそう言うけど、俺は首を横に振る。
そんな訳がないから。
それを信じたら、自惚れてしまう。
「俺、考えたらさ、夏希にデート誘われたことないんだよね」
急に明るく言い出す。
何かを吹っ切るかのように。
「当たり前か。夏希は無理している訳だし。それでも、おとす自信はあったんだ」