願う場所、望む奇跡
初めて言った好きという想い。
こんなに緊張するもんなんだ。
恥ずかしくて顔は上げられなかったけど、急に義哉の手に力がこもって強く抱きしめられる。
苦しいけど、それさえも嬉しかった。
「もう、絶対に離さない。だから、夏希も俺だけを見て、信じて」
少しだけ離され顔を上げられて、額と額をくっつけて言われる。
義哉の力強い瞳に、私は頷く。
彼の手を取った私は、他の人なんて関係なかった。
もう、義哉以外見えていないから。
「松本さんと付き合って、好きになったりしなかった?」
急に、そんなことを聞いてきた。
不思議に思ったけど、義哉の表情は不安そうだった。
「好きになる努力はしたよ。でも、なれなかった。
彼女がいるって知った時、他のことが手につかないぐらいショックだったから。
結局私は、松本くんと付き合っていても、求めているのは違ったんだ」
正直にそう言うと、そっか、と言って笑った。
義哉も私と同様にショックを受けたんだ。
さっき、嫉妬したなんて言っていたもんね。