願う場所、望む奇跡
「何があったの?」
「あの女がいたから」
「あの女って……川島遥ちゃん、だっけ?」
「そう、それ。
偶然か探していたのかは分かんないけど、俺らには気づかなかったみたい」
それを聞いて、私もほっとする。
川島遥は、義哉を脅していて今でも私たちを狙っているらしい。
学校でもしつこいとか。
「あの女がいなければ、もう少し堂々とするんだけどな」
「そうなの?」
「学校のヤツらは、夏希が姉だってこと知らないし。夏希だって、会社の人が知っているだけでしょ?」
「うん、そうだけど……」
「だったら、この街にいる人を考えても知っている割合は少ない。少しくらい堂々としても平気だって」
あ、そうか。
いくら都会に比べて人が少ないと言っても、知っているのは私の会社の人ぐらいなもの。
その子たちが周りに言っていれば別だけど、ライバル相手にそんな情報は渡さないだろう。