願う場所、望む奇跡
「言ったでしょ。欲望に従えって。身を委ねればいいって」
それは、いつだかに言われた言葉。
確か付き合う前で……あ、私が気持ちを自覚した時だ。
そんなことを思っている間も、義哉の手は私の体を這っている。
「ちょっと……ここじゃやだ……」
甘い吐息と共に絞り出した言葉は、この先を懇願しているように聞こえる。
その証拠に、義哉は満足そうに笑っている。
「じゃあ、部屋に行きますか」
私の前に回ってきたかと思うと、ふわっと体が浮いた。
「え?イヤ、歩けるから下ろしてよっ」
これは、いわゆるお姫様だっこ。
そんなことされたことがないから、驚いて暴れてしまう。
「ちょっ、暴れるなって。危ないから」
確かに暴れたら危ないのは分かっている。
だったら、下ろしてくれればいいのにと思うけど、下ろしてくれない。
そのままスタスタ歩いて行く。