願う場所、望む奇跡



「兄と逢うと思ったんだろうね。
妊娠中だったから、定期健診の時だけ外出出来た。それも、家の者に監視されながらだけど」



ありえない。

いくら両親だからって、そこまでしていいはずがない。

でも、それだけ間違った行為ということか。



「ねぇ、母さんの実家って金持ち?
普通の家は、家の者が監視って両親以外出来ないと思うけど」



今まで黙っていた義哉が口を挟んだ。

その間もずっと、手は繋いだままだった。



「そうね。名家っていうのかな。
だから、余計に世間体を気にしていた。兄妹の恋なんて表に出さないように必死だった。離婚も隠していたぐらいだしね」


「……相当だね」



お母さんの言葉に、義哉が呆れたように言う。

本当にそんな家があるんだ。

少なくとも、20年前はそんな実家。

今でも、そんなに変わってはいないだろうな。




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