願う場所、望む奇跡



居酒屋を選んだのには、川島遥が入ってこれないという理由もある。

弱みを探している彼女は、私が友達といるのを見つけても、何か言わないか後をつけている。

それが分かっているから、カフェとかでは話せない。

まだ、諦めていないらしい。


個室に入って、飲み物や食べ物を頼んで乾杯する。



「……とりあえず、全部聞いてね。全て、本当のことだから」



そう前置きして、義哉を好きだって自覚したところから話した。

苦悩の末、松本くんと付き合った。

結局、上手くいかなくて別れた上に、背中を押された。

そして、義哉から告白された。

信じられず逃げ腰になる私を、優しく包み込んでくれた。

義哉が付き合っていたという、川島遥の話しもした。

今も尚、探っていると。

最後に、お母さんにバレて全て話したこと、認めてもらったことを話した。



「それで、川島遥のこともあるから、義哉が卒業したらこの街出るね。会社辞めることも決まってて……」



そこまで言うと、言葉が続かなかった。




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