願う場所、望む奇跡
「最初は、弟に彼女がいるって知って、聞いていないよ、みたいな感じかと思いましたけど、そうじゃないなと。特別な想いを抱いているんだって。
でも、松本さんと付き合っている時から違和感あったんですよ」
「そんなに前から?」
「言ったじゃないですか。気持ちに反することをすると、自分が苦しいだけですよって」
「あ、そうか……」
「だから、別に驚きもしないですし、反対もしません。
相手が誰であろうと、夏希先輩が幸せならそれでいいんです」
莉亜の言葉に、私の涙腺は崩壊してしまう。
莉亜にしろ悠弥くんにしろ、赤の他人なのに私の気持ちを尊重してくれた。
罵倒もせず、冷たい表情もしない。
それは、私にとってどれだけの救いか。
「困ったことがあったら、すぐ連絡して下さい。飛んで行くんで」
そんなことを言う莉亜に笑ってしまった。
こうやって心配してくれる人がいれば大丈夫。
「ちゃんと結婚……は出来ないか。あ、子供出来たら報告して下さいよ」
「ちょっと、莉亜っ」