願う場所、望む奇跡
早く稼ぎたい理由ってなんだろう。
目的を持って就職する人を見ると、私はなんのために働いているのかなと思う。
もちろん稼ぎたいのだけど、ただ生活するためになだけ。
そうは言っても、未だに実家暮らしなんだけど。
今更だけど、家を出るための資金を稼ごうかな。
「義哉も就職するのね。頭いいんだから、大学へ行けばいいのに」
「嫌いではないけど、とにかく稼ぎたいから」
力強い目をして言う義哉に、母親は何も言えなかった。
それだけ、譲れないことらしい。
「まぁ、それだけの想いがあるなら就職でいいと思うわ。あとは、いいとこがあればいいわね」
そう言うと、にっこり笑って義哉は頷いた。
「姉さんは、何で就職したの?」
2人で話していたのに、急に話しを振られて驚いた。
「え、あ、私は特に意味はないけど……。ただ、これ以上勉強したくなかっただけだし」
「夏希も頭いいからもったいないと思ったんだけど、仕事も優秀みたいだから」