願う場所、望む奇跡
「私……今、なにしようとした……?」
部屋に戻ったとたん、私は座り込んだ。
そして、さっきの行動を思い出して赤面する。
「キス……しようとした?」
無意識に自分の唇をなぞる。
義哉が無理やりしようとした訳ではない。
自分がしたいと思ったのだ。
一体、どうして?
「莉亜?」
さっきの行動を考えながらも、鳴り続けている携帯に出た。
相手は、莉亜だった。
『出るのが遅かったですね。何かあったんですか?』
何かはあった。
だけど、言える訳ないじゃないか。
軽蔑されかねないことだよね。
『夏希先輩?』
何も言わない私に、不思議そうに問いかける。