願う場所、望む奇跡
父が亡くなった時、誰に連絡するべきか迷った。
そもそも、祖父や祖母を知らない。
親戚も知らないんだ。
父の仕事関係者にはしたけど。
母にはどうするべきか迷った。
離婚した身だ。
知りたくもないかもしれない。
だけど、手紙の存在があったから連絡したんだ。
「今井義哉です」
向こうが電話に出て、すぐに名乗った。
どういう態度を取られるかドキドキした。
『え、義哉?本当に?』
驚いたような声には、不機嫌さは感じられない。
「お久しぶりです」
『本当に久しぶりね。元気だった?』
「元気です。母さんも元気そうで」
『まあね。まだまだ頑張らないとだし。
それで、今日はどうしたの?』
俺は13年間、連絡もしなかったから不思議なのだろう。