願う場所、望む奇跡
夏希が開いてを好きなら、喜ばなきゃいけない。
だけど、こんなに早く彼氏が出来ると思っていなかったんだ。
珍しく遅く帰って来た時、キスマークを見つけた。
その瞬間、はらわたが煮えくり返った。
相手を殴り飛ばしたかった。
夏希の幸せそうな表情を見て、なんとか抑えたけど。
夏希の様子を見て、少しだけ希望を持ってしまっていたけど、それも今では虚しいだけ。
「お前最近、機嫌悪くないか?」
悠弥が急にそんなことを言い出した。
「別に、変わんねぇけど」
「イヤ、違う。周りを騙せても、オレは騙せないぞ」
得意気に言う。
やっぱり、親友は騙されてくれないらしい。
とは言っても、話せる訳がない。
夏希に彼氏が出来て不機嫌だなんて。
だいたい、夏希が好きなことも言ってねぇのに。
「何でもねぇよ。他が気づいてねぇんだから、黙っててくれ」
「……分かったよ。義哉のことだから色々考えてんだろうけど、いざとなったらオレを頼れよ」