螺旋上の赤

それから先、彼との接点は特に無かったと思う。

でも何となく覚えてる事がある。

私が長い廊下を走って見えなくなるまで、男の子は私を見てた様な気がする。

上履きを大事そうに抱きしめながら…。


その年の終わり。

少子化やら何やらで、私たちの城北小学校は分校となり、学区によって別の小学校へと統合されることになった。

私も新しい学校で出来た友達と遊ぶうちに、彼の事を思い出すことも少なくなっていった。
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