エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「善。それにライズのみんなにも、ホントに迷惑かけてしまって。ごめんなさい・・・」
「謝るのは俺の方だ。お父さんとお母さん、そしてお兄さんも。画面の先からで失礼極まりないんですが。ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません」

と善が言うと、ライズの4人全員、私たちの方に向かって頭を下げた。

「ちょっと善!と他のみなさんも!そこまでしなくても・・・」
「みなさんの誠意は十分伝わりましたから、謝り合うのはもう終わりにしましょう」

この場の年長者である父の一声が、ハッキリ効果を表してくれたおかげで、ライズの4人は頭を上げてくれただけじゃなく、パソコン画面の隔たりを感じさせない連帯感が生まれた。

「元々俺たちって、テレビ出演は少ない方だから、気にすることないよ」
「そーそー。それに、ファンのみんなや仕事関係者さんも、分かってる人はちゃんと分かってるから」
「逆に、この一件で、善ちゃんのことを嫌いにならないでほしい」
「マジで。芸能人とか有名人つき合うことは、こういったリスクも背負わなきゃいけないっていうのはもう宿命だと思って、腹くくってほしい」
「アキちゃんと秀なら、背を向けないで、俺と一緒に立ち向かってくれる・・・よな?」

そう善に聞かれた私は、何も答えることができなかった。
でも、無意識のうちに、パソコン画面に向かって手を伸ばしていた。

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