エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
そのまま時は過ぎて、2月14日のバレンタインデーがやって来た。
善は朝から夕方まで仕事、そして秀一郎は学校が休み。
午前中、秀一郎と一緒にデパートへ出かけて、義両親へ贈るプレゼントを買うと、その足で義両親宅へ行ってプレゼントを渡して、秀一郎を預けた。

秀一郎は週に一度の割合で、義両親宅へ遊びに行っている。
11年も会えなかった孫と交流を図りたいのか、義両親はいつも秀一郎を大歓迎してくれるし、「いつでも遊びにいらっしゃい」と言ってくれる。
幸い、私たちのマンションと義両親宅は、距離的にはそんなに遠くないので、平日でも時々秀一郎を泊まらせている。
明日は義両親とどこかへ出かける予定を、すでに立てているそうなので、今日秀一郎は、義両親宅へ泊まることになっている。

善が帰ってくるまで私は・・・またひとり、か。
さて、と。これからどうしようかな。
ちょっと寒いけど、家に帰るのはもう少し後でいいから・・・。

私は行く場所も決めず、ぶらぶらと歩いた。
たぶん1時間くらい歩いたと思う。
さすがに歩き疲れた、と思ったとき、ちょうど駅の前に来ていた私は、その界隈を一周する電車に乗っていた。

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