エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
エントランスに24時間駐在しているコンシェルジュに挨拶をすると、にこやかな営業スマイルで挨拶を返してくれた。
エレベーターに乗って、新居がある7階まで行く。


私は、ドアを開けて中に入ると、「ただいま」と呟いた。
中にはもちろん誰もいないので、「おかえり」と言ってくれる人はいない。

全体的に広い4LDKのこの家は、善が探してくれた物件だ。
実家は決して狭い方じゃない。
だけど、現実的に私がこういう・・コンシェルジュつきの豪華なマンションで暮らすことになるなんて、想像すらしたことがなかった。

暖炉があるリビングとか、人工大理石のワークトップのアイランドキッチンとか。
ステンレス製の大型冷蔵庫に大型テレビ。
トイレとバスルームは2つあって、まるでホテルの一番豪華な部屋みたいな家。
私から見たら現実離れで、善から見たら、これが当たり前なんだろう。
そこからすでに違うのよね・・・。

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