エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
三笠学園で事務の仕事をし、秀一郎の付き添いをしに病院へ行く。
それが私の生活になっていた。

手術を受けた秀一郎は、日々快方へ向かっている。
また元気な息子の姿を見ることができることに、これほど幸せを感じるなんて・・・。

「どうしたの?お母さん」
「・・・嬉しいの」

つい涙ぐみそうになった私は、泣く代わりに、息子に微笑んだ。

安定した生活のリズム。
再び戻ってきた波風のない穏やかな日々に、私は満足していた。

そんな私の暮らしを乱すように善が病室に現れたのは、秀一郎が入院して3ヶ月が過ぎたばかりの9月半ば。
ある晴れた日の午後だった。

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