エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「ぜ・・・ん」
「よぅ、アキちゃん」

何事もなかったかのように、ニコニコ笑顔で挨拶をする善を、笑顔を貼りつけて目だけで訴えるように睨みながら、私は善を押しつつ、強引に病室から出た。




「何しに来たのよっ!」

叫びたいけどここは病院内。
しかも秀一郎の病室のすぐそばだ。
誰にも、特に息子には、内容を聞かれたくないという防御反応がいち早く働いたおかげで、私は精一杯怒りを込めつつ、小声で善に“怒鳴った”。

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