エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「うん。でも!あなたが父親だってことは、秀一郎には言わないで。これは絶対」
「分かった」
「じゃ・・・マックス5分ね」
「おう!」

顔中笑顔になった善が、ドアをノックした。
「はいどうぞー」という秀一郎の元気な声を聞いた私の顔にも、つい笑顔が浮かぶ。

ドアを開けた善は、その場で秀一郎を見て・・・横にいる私を見た。

「アキちゃんも同席してほしい」
「え?わたし・・も?いいの?」

頷く善に押されるように、私も一緒に秀一郎の病室へ入った。

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