エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「ほらアキちゃん、もうちょっとこっち来て。そっからじゃ見えねえだろ?」
「いや、私は・・聞くだけでいいから」
「ダメダメ。俺はアキちゃんにも見てもらいたいの」
「ぅわ!?」

善の手が私の腕に触れた。
と思った次の瞬間にはもう、善の方へと軽く引き寄せられていた。

近い!
服越しだけど善と私の腿がくっついてるし!!
善は私に腕を絡めたままスマホ持ってるから、シャツ越しでも善の体が熱いって分かるし!!!

これ絶対近い・・いや、近すぎでしょ!!!!

「秀はもーちょっとこっち来て・・・そーそー。これで3人とも見れるな?」
「うんっ」
「ちょ、と善・・・」
「ん?」
「ち、近い」
「こうしないと3人一緒に見れないし。あと2分くらいで終わるから我慢して」

そこまで善が言うなら・・・たった2分の辛抱だから・・・。
と自分に言い聞かせつつ、早く終わらせてもらうためにも、私が「分かった」と返事をすると、善はやっとスマホを再生してくれた。

私たち3人って、一時的に一緒にいる・・・家族?

< 83 / 183 >

この作品をシェア

pagetop